弘前駅前、虹のマート並び。
弘前バスターミナル発着のバスが、頻繁に行き交う少し細い通り沿いにあるのがPastaYa。
こぢんまりとした店内は、平日のランチタイムでも混雑する人気店です。
イタリアンやパスタのお店は弘前にはたくさんあるのに、開店以来根強い人気があるのには、いったいどんな秘密があるのでしょう。
ご夫婦で切り盛りされているお店で、フロア担当の奥様にお話を伺いました。
開店当時は大学生!驚きのオープン
PastaYaが駅前の中央通り沿いに、最初の店舗をオープンしたのは2009年4月のこと。
実はその当時、奥様はまだ現役大学生でした。
大学4年生だったので、講義はほとんど無く日中は時間があったため、卒業を待たずに開業されたそうです。
一方シェフであるご主人は、高校を卒業後は菊富士を皮切りにいくつかの飲食店で修行されてきました。
専門学校を出たのではなく、料理が好きで料理を職にするために業界に飛び込み、和食からフレンチなど幅広く学び調理師免許も取得。
独立して自分の店を持つにあたって、何をメインにするか考えた時に真っ先に浮かんだのがパスタ専門店でした。
「実は私がパスタ好きで、シェフにプライベートで作ってもらうことが多かったんです。
元々イタリアンの有名なシェフのレシピ本なども持っていて、シェフ自身もパスタが好きで得意だったんです。」
キッチンを担うのはシェフ1人。
小さなお店だからこそ、ジャンルは絞ったほうが良いということで二人の考えは一致していました。
それなら、ふたりが好きなものを提供していこう。
パスタ専門店に決まったのには、そういった経緯がありました。
「PastaYa」という直球な店名は、なによりもわかりやすさを大切にしました。
「イタリア語とかフランス語のお洒落なネーミングも考えました。
でも、読みにくいと、なんの店かわかってもらえないかもしれないと思って。
伝わりやすくて覚えやすいことを考えて決めました。」
こうしてスタートしたPastaYaは、こぢんまりとしたお店ながら、少しずつお客さまが増えていきます。
家庭ではなかなか作れないけれど、気取りすぎないメニューが並ぶランチタイム。
フレンチの経験も生かされたコース料理や貸し切りでのパーティも楽しめるディナータイム。
時間帯で趣が変わり、また子連れでも入りやすいお店として人気店となっていきます。
SNSがまだそんなに使われていなかった頃でしたが、Blogなどで積極的に情報発信されていました。
一風変わったメニューや食材なども丁寧に紹介されていたので、どういうお店なのか、どんなメニューが楽しめるのか事前に見ることができる、安心して入れるお店でもありました。
しかし、最初の店舗は弘前駅前再開発区域に入っていたため、移転を余儀なくされます。
2012年1月、一時閉店となり新店舗移転に向けてしばしの休業期間となりました。
念願の新店舗オープン!少しずつ変化進化するPastaYa
駅前再開発のために最初の店舗を閉店せざるを得なかったPatsaYa。
新店舗の場所は決まっていたものの、商業地域のため様々な制約もあって、実際に営業できるまでには時間がかかりました。
その間に、シェフはかつての修行先である菊富士で働き、奥様は内装や什器類などについて思案する日々でした。
「お店をゼロから創ることができたのは、本当に有り難いことでした。
壁や床など、思い描いているお店の姿を反映できたのはとても嬉しかったです。」
構造上どうしても柱を置かねばならない場所、壁をつける場所など自由にならない面も、うまく生かした空間を作り出していきました。
そして2012年11月、待ちに待った新店舗での開店となったのです。
開店後も、ちょっとした小物だけでなく、テーブルなどもリメイクして少しずつ変化させていると奥様は言います。
「DIYというほどでは無いけれど、切ったり塗ったり貼ったりして、少しずつ変えることでお客さまが飽きないようにしています。
もちろん、働く私たちも変化を楽しみたいですし。」
基本的にはシンプルでありながら、様々なところにPastaYaらしさを感じさせる店内は居心地良く、ゆっくりと美味しい時間を楽しめる空間になっています。
毎年変わる!豊富なグランドメニューも人気のランチタイム
平日のランチタイムも席が埋まるPastaYa。
1日10食限定のランチセットは、限定パスタと、サラダと2品が載ったアラカルトプレートが楽しめる大人気メニューで、こちらは2週間ごとにメニューが変わります。
パスタは、季節の素材をメインにしたり、人気のメニューをちょっとアレンジしたりされています。
アラカルトプレートは、彩り鮮やかなサラダと肉・魚料理などが載っており、女性でもぺろりと食べられるサイズ感が人気です。
また、PastaYaのグランドメニューは、毎年冬に新しくなります。
メニューブックそのものが、新しいものに変わるのです。
「やはり長くお店を続ける以上、メニューの見直しは必要でとても大切なことだと考えています。
何度も来てくださるお客様が、飽きることが無いように。
そして、人気のメニューは残しつつ、ちょっと伸び悩むものは思い切って一度外して、新しいものをデビューさせてみる。
どんなメニューが好まれるかを考えつつ、自分たちの好きなメニューも検討しつつ、悩ましくも楽しい作業です。」
こうした変更によって、今や殿堂入りとなった絶対的エース「エビのトマトクリーム」が生まれたとか。
実は開店当初からそのまま残るメニューは「牛ホホの赤ワイン煮」と「ミートソース」アレンジのもの。
それと「ペスカトーレ」ぐらいで、後は入れ替わったり手直ししたりしています。
また、グランドメニューのパスタに、アラカルトプレートをつけて自分だけのランチセットにすることも可能です。
ドリンクやデザートが120円(2023.1時点)と、お手頃価格なのも魅力的です 。
「ランチタイムに、あまり高価なものは出せないし、そもそもメインはあくまでもパスタなので、カフェのようにデザートにすごく凝ったものを出すのも難しい。
だったら、気兼ねなくデザートまで楽しんでいただけるようなサイズと価格にしようと考えました。」
シンプルなデザートですが、実はファンも多く、一度に2つ3つオーダーする方も居るそうですよ。
トクベツ感がありつつ気取りすぎないディナータイム
コロナ禍以降は、週末のみ営業しているディナータイム。
予約がある時のみ営業となっていますが、そのせいか
「コース料理を予約しないといけないの?」
「大人数で貸し切りにしないとダメ?」など、なんとなくハードルが高くなったように誤解されているようです。
PastaYaのディナータイムは、実はそんなに厳しいものではありません。
「お客さまが夜の外食を控えるようになったので、確実にご来店いただける時だけ営業するようにしています。
グランドメニューから選んでいただけますし、お一人さまでももちろん大歓迎ですよ。」
一方、予約制のディナーコースもとても魅力的です。
前菜・パスタ・肉料理・魚料理・デザートのフルコースを予算と人数に応じて、組み立ててくださいます。
また、人数次第では貸し切りも可能です。
生花を使ってのフラワーアレンジメントや、カリグラフィーを活用してのメッセージカードや席札を用意する、テーブルコーディネートもオーダーできますので、記念のイベントなど特別な時間を過ごす時にはオススメです。
「コース料理と言っても、肩肘張らずに楽しんでいただきたいです。
とはいえ、大切なイベントであればステキな時間になるよう、できるだけお手伝いさせていただきますので、まずはご相談ください。」
少しずつ、感染症対策が緩められてきていますから、これからのPastaYaのディナータイムは、仲間内で賑やかに楽しんだり、歓送迎会などで美味しい時間を過ごしたりするのにオススメです。
テイクアウトから通販まで おうちでもPastaYa
コロナ禍前から、通販にも力を入れていたPastaYa。
現在も、オンラインショップではパスタソースやグラタン、そしてシェフ特製の自家製かえし醤油などが購入できます。
基本的に冷凍になっていますから、お引越しなどで弘前を離れた時に、あるいはギフトにも便利です。
テイクアウトは、前日までに予約が必要なパスタ+サラダのセット、当日でも対応可能なパスタ単品があります。
また、通常のパスタ類以外に、日数に余裕を持って依頼することでオードブルやお弁当などのオーダーも可能です。
お盆やクリスマスなどのイベントシーズンには、季節のオードブルが発売になることもあります。
「オードブルは、ご家族で楽しまれることを念頭に置いて、お子さまも楽しく食べられるメニューであることを心がけています。
みんなが笑顔になれる時間を、PastaYaがお手伝いできたら嬉しいです。」
各種テイクアウトに関しては、HPに詳しいメニューやオーダー方法が記載されています。
おうちでもPastaYaを気軽に楽しめる工夫は、とても有り難いですね。
まとめ
お洒落な雰囲気のお店なので、子連れはNGなのかなと思いこんでいるパパママも少なくないようです。
「残念ながらおむつ替えスペースなどはご用意していませんが、お子さま連れでの来店も大歓迎です。
出入り口が狭くスロープではないので、入るのにちょっとお手数をおかけしますが、店内にベビーカーのままで入ってお食事いただけます。
ランチタイムでしたら、お席の予約をしていただければ、ベビーカーを置きやすい席をご用意もできますよ。」
例えば、ランチタイムだとお子さんが落ち着かずあまり食べられないということでしたら、家族でディナータイムを予約して、ゆっくり食事を楽しむという使い方もできます。
不安なことがあれば、公式LINEやお電話などで問い合わせることで、安心して美味しい時間を楽しめますよ。
今までに、イベントへの出店やコラボイベントの開催など、様々な挑戦もされてきたPastaYa。
今後は、何か新しいことを考えているのでしょうか。
「現在は、当日テイクアウトいただけるのがパスタメニューしかないのですが、グラタンなどご要望の多いメニューを、気楽に買っていただけるようにしたいと思っています。
いつでもPastaYaを楽しんでいただけるような工夫を、これからも私たち自身楽しみながら続けていきたいです。」
美味しさだけではなく、過ごす時間も幸せな気持ちにしてくれるPastaYa。
気軽なランチタイム、素敵なディナータイム、あるいはご自宅でも。
お好きなタイミングでお好きなスタイルで楽しんでみませんか?
〇店名:PastaYa
〇場所:弘前市駅前15-6
駐車場なし 近隣有料パーキングをご利用ください
〇電話:0172-32-8620
〇営業時間:ランチタイム11:00~14:30
(最終来店・ラストオーダー:13:30)
ディナータイム(前日までに要予約) 18:00~21:00
(最終来店・ラストオーダー:20:15)
〇定休日:毎週火曜日
〇公式:HP https://pastaya1104.wixsite.com/pastaya
Instagram https://instagram.com/pastaya_hirosaki