皆様は青森県弘前市へ旅行された際、どのようなところを見て回りますか?
弘前市内にある史跡や温泉、津軽地方の郷土料理や、名産品であるリンゴを使ったお菓子等を楽しむ方もいらっしゃると思います。
また津軽富士と呼ばれる岩木山の景観も有名です。
そんな魅力あふれる青森県弘前市は、かつて弘前藩の城下町として栄えていました。
今回紹介するのは、当時弘前を中心に津軽地方一帯を治めていた、津軽氏について詳しく知ることが出来る観光スポットです。
その観光スポットの名前は「高岡の森弘前藩歴史館」です。
高岡の森弘前藩歴史館は、弘前城から西に位置する岩木山麓にあり、弘前藩の藩主である津軽氏ゆかりの品々や資料を展示しています。
見ごたえのある観光スポットですので、色々と紹介していきたいと思います。
津軽氏の貴重な宝物を間近で見学できる!高岡の森弘前藩歴史館
高岡の森弘前藩歴史館は、弘前の文化を知る上で欠かせない歴史資料や美術工芸資料などを適正に管理・保存し、公開するため、平成30年(2018)4月に岩木山麓の高照神社<たかてるじんじゃ>に隣接して開館しました。
高照神社は、弘前藩4代藩主の津軽信政<つがるのぶまさ>(1646~1710)を祭神として創建されました。
信政は、弘前藩歴代藩主のなかでも政治・経済・文化全般にわたる事績を多数残したことから、「中興〈ちゅうこう〉の英主〈えいしゅ〉」と呼ばれ、領内において初代藩主の津軽為信<つがるためのぶ>(1550~1607)と並び崇められた人物です。
信政の死後、その遺言によって建てられた高照神社には信政の遺品が納められ、歴代の弘前藩主によって社殿の整備が進められました。
明治10年(1877)、高照神社へ初代藩主為信が合祀され、津軽家や旧藩士たちより武具類をはじめとする多くの品々が寄進されたことから、津軽家や弘前藩由来の多くの宝物が高照神社に収蔵されるに至りました。
信政の遺品をはじめとする高照神社宝物群を収蔵公開していた宝物殿が老朽化したことから、弘前の歴史や文化を伝える貴重な文化財を恒久的に管理・活用するため、当館が設立されることとなりました。
また、当館の施設整備にあわせて、弘前藩が江戸時代後期に築造した高照神社馬場跡を復元・整備しました。
高岡の森弘前藩歴史館の常設展示
高岡の森弘前藩歴史館では、どのようなものが見学できるのでしょうか。
歴史館の展示は、江戸時代の津軽・弘前を主なテーマとしています。
展示品の大半は実物展示ですが、資料保存の観点から実物展示が困難なものは複製品を展示しています。
大型絵巻や大絵馬、弘前藩四代目藩主・津軽信政を高岡に送葬した際の様子を描いた、10mを超える絵巻「津軽信政の送葬絵巻」。
こちらの絵図は、江戸時代の絵師・今井玉慶<いまいぎょくけい>が津軽信政死後150年経過したのちに描いた作品で、絵図資料としては大変貴重な物です。
高岡の森弘前藩歴史館では今井玉慶が描いた津軽信政葬送絵巻をタッチパネル式のデジタル機器を利用した展示を行っています。
常設展示では、当地域の成り立ちに大きく関わる弘前藩に焦点を合わせ、「津軽信政着用具足」が来館したお客様をお出迎え。
また常設展示では、上記の具足のほかにも藩政時代の津軽領や弘前城下の絵図を解説〈キャプチャー〉と共に見学できます。
更に初代藩主津軽為信〈つがるためのぶ〉から四代津軽信政に至る歴史を弘前藩の歴史年表や藩主津軽家の系図と共に、種里(たねさと)城・大浦城・堀越城・弘前城といった津軽氏の居城の移り変わりについての資料も展示。
この他にも岩木山を中心とした津軽地域の地形模型が展示され、これらの貴重な資料を見ながら、弘前藩の歴史像や地域像について紹介しています。
このように高岡の森弘前藩歴史館ではこれらの貴重な資料を見学することで、弘前藩の歴史に加え、津軽地域の歴史についてもわかりやすく知識が深められますので、歴史に詳しくない方でも高岡の森弘前藩歴史館を気兼ねなく楽しめます。
いろいろな企画展・イベントを開催
高岡の森弘前藩歴史館の常設展について上記で紹介しましたが、ほかにも様々な企画展やイベントが開催されています。
企画展は、高照神社の所蔵品を中心に、弘前藩に関わる歴史資料・美術工芸資料を展示し、江戸時代の弘前藩を理解できるように企画しています。
武具刀剣類を含む美術工芸資料や、絵図・古文書を含む歴史資料など、テーマに沿った企画展を年4回程度開催しています。
展示替えによって、できるだけ多くの収蔵品を皆様にご覧いただくことを心掛けています。
これまでに行った企画展の例として、神社関係資料を中心とした「高岡の森の絵図展」・「津軽信政と高照神社」、弘前藩主や藩士ゆかりの調度品、書画を主体とする「お殿様たちの暮らし」・「お殿様たちの書画」などを開催しました。
様々な企画展を開催している高岡の森弘前藩歴史館では、現在、刀剣好きにはたまらない企画展「津軽刀工伝」が開催されています。
本展示では、4代藩主信政に召し抱えられた刀工が製作した刀剣や、その他津軽家の人々、藩士たちの家に伝わった刀剣などを紹介しています。
展示している刀剣のなかでも、津軽信政が召し抱えた津軽三刀工と呼ばれる盛宗〈もりむね〉や國吉〈くによし〉、國廣〈くにひろ〉が作刀した刀剣がみどころです。
県指定や市指定の文化財となっている刀剣類も数多く展示しているため、刀剣好きにはたまらない展示といえるでしょう。
「津軽刀工伝」は令和4年7月15日(金)から9月11日(日)まで開催している企画展ですので、まだ見てらっしゃらない方はぜひ見学してみてはいかがでしょうか。
ちなみに、歴史館では企画展の他、館内や屋外で開催する真剣を使った型や技に加え、迫力ある据物斬りや紙斬りで見ている観客を魅了する抜刀道演武のイベントを開催しています。
他にも弘前市無形文化財に指定され、塚原卜伝〈つかはらぼくでん〉を流祖とした卜傳流剣術〈ぼくでんりゅうけんじゅつ〉や、藩政時代弘前藩の武家を中心に伝えられた當田流剣術〈とうだりゅうけんじゅつ:弘前市無形文化財指定〉などの流派が参加し、演武や古武道講座などを行う古武道演武に加え、高照神社馬場跡では流鏑馬<やぶさめ>を開催しています。
イベント開催日などの詳細は、高岡の森弘前藩歴史館のWebサイトをご確認下さい。
まとめ
今回は青森県弘前市にある高岡の森弘前藩歴史館についていろいろと紹介してきました。
歴史館は、弘前の歴史に加え、文化について学ぶことができる企画が盛りだくさんとなっております。
ぜひ弘前市へ遊びに来たら見学してみてはいかがでしょうか。
今後も弘前市の観光地や地元の方のおすすめのお店などを紹介していきますので、次回の記事もお楽しみに。
施設名
高岡の森弘前藩歴史館
開館時間
9:30~16:30
休館日
毎月第三月曜日〈祝・休日の場合は翌日〉・年末年始〈12月29日~1月3日〉、展示替え期間中
TEL
0172‐83‐3110
HP
http://www.city.hirosaki.aomori.jp/takaoka-rekishikan/riyouannnai.html
観覧料
単独券
個人
一般:300円
高校生・大学生:150円
小・中学生:100円
団体
一般:220円
高校生・大学生:110円
小・中学生:50円
共通権
個人
一般:420円
高校生・大学生:210円
小・中学生:140円
団体
一般:310円
高校生・大学生:160円
小・中学生:70円
※20名以上で団体料金となります。
※共通券は、歴史館及び弘前市立博物館にそれぞれ1回入館できる券です。
※高校・大学生区分の料金で観覧する場合は、学生証等をご提示ください。
※障がい者(介助者含む)、65歳以上の弘前市民、弘前市内の小・中学生・外国人留学生、ひろさき多子家族応援パスポートを持参の人は無料です。
※無料で観覧するには、受付にて、年齢、住所等を証明するものをご提示ください。ご提示がない場合は、有料となりますので、ご注意ください。
- 65歳以上の弘前市民……保険証、免許証等(コピー可)
- 市内の小学生……小学校の名札(コピー可)
- 市内の中学生……生徒手帳(コピー可)
- 市内の留学生……学生証(コピー可)
- 市内の多子家族……ひろさき多子家族応援パスポート
- 障がいのある方……障害者手帳等(コピー可)